《アップサイドダウン 重力の恋人》作品情報:
原題:Upside Down
公開年:2012年
製作国:フランス・カナダ
上映時間:109分
ジャンル:ファンタジー
監督:フアン・ソラナス
評価:78
《アップサイドダウン 重力の恋人》あらすじ
太陽の周りを双子惑星が回る不思議な世界の恋の物語。
声の届くほど近い距離にある二つの惑星。上は富裕層の住む世界、下は貧困層の住む世界とはっきり分けられている。
そして、命をも含めた物質はそれぞれの惑星の重力に支配されている。
ある時、丘の上で下の世界の住人アダムと上の世界の住人エデンが出会う。
いつしか二人は恋をして、上の世界からロープを垂らして、エデンを下の世界へ下ろし逢瀬を重ねていた。
しかし、その二人の幸せもつかの間、警備中の監視員に見つかってしまいエデンが上の世界へ戻ろうとしている途中、上の世界へ落下してしまう。
それから10年後・・・
《アップサイドダウン 重力の恋人》主要キャスト
アダム・カーク(ジム・スタージェス)
貧困層が暮らす下の世界の住人。
ピンク・ミツバチの秘密を受け継ぐ若者。
エデン・ムーア(キルスティン・ダンスト)
富裕層が暮らす上の世界の住人。
トランスワールド社でデザインの仕事をしている
ボブ・ボルショヴィッツ(ティモシー・スポール)
上の世界の住人。トランスワールド社でエデンに何かと協力してくれる。
《アップサイドダウン 重力の恋人》ネタバレ感想
アダムの行動はストーカー?
下の世界のアダムが上の世界の住人になりすまそうと、逆物質を体中に隠し持ち、エデンに会いに行く。これは記憶を失ったエデンから見れば完全にストーカー行為ではないだろうか。
エデンは10年前のアダムとの記憶がないわけで、それでもアダムを見て好印象を持つのは好みのタイプだったからだろうか。
それに、「記憶のない時の知人かも」と思い、そうであればいきなり訪ねてきたアダムを無下に拒否するわけにもいかないし、ちょっと挙動がおかしいけど、変な人と思いながらも気にかかる存在のようだ。
突っ込みどころ満載のストーリー
お互いの声の届きそうな距離にある二つの惑星。それにしても近すぎだろう。ほんのちょっとした重力バランスの崩れで衝突しかねない。
それぞれの星にある物質も生命もその惑星の重力に影響されるという変わった設定だ。
人間さえも、自身の生まれた星の重力の影響をうける。
地球と月ほど離れていても、月の重力によって潮汐力が働くのだから、あれだけ近い距離だとものすごい力が向こうの星に働くだろうが、そんな感じは全くないようだ。
逆物質に長時間触れると発熱、発火する。それを利用して、下の世界では燃料に利用している。重力が正反対にかかると発熱するのだろうか。
下の世界から上の世界への密入国は多そうだ。しかし、それぞれの警察の対応がお粗末すぎる。上の世界の警察が密入国のアダムにまんまと逃げられてしまうとは、しかもただ銃で狙撃するだけ。お互いの重力を利用した空中浮遊警察車両はないのだろうか。
発想が面白い点
トランスワールド社
トランスワールド社の0階では、上の世界の人と、下の世界の人が同じフロアで仕事をしている。相手は逆さになっている、この上と下の鏡のような景色が面白い。でもなぜ同じフロアで作業する必要があるのだろう。
逆物質の利用法
上の世界の逆物質を下の世界へ持ち込むと熱を持つ。この熱を利用して下の世界の住人は暖を取っている。便利なエネルギー源になっているのだ。しかし、このエネルギー源は密輸するしか手に入れられない。ということは、簡単に手に入らない高価なものなのか?
アダムとエデン
アダムとエデンがくっついていると、ちょうどいい感じで重力のバランスがとれて二人はフワフワと浮遊している。
この時の丘での二人とバックの景色の色彩がうまく融合して美しかった。
アダムとエデンの双子の子供はどっちの重力に影響されるのだろ。男の子と女の子が生まれて、男の子は下の世界、女の子は上の世界だろうか。それともどちらの重力にも影響されない、自由に行き来できる体質なのだろうか。
エンディングでこの後の未来の世界が出てきた。アダムとエデンの子供が生まれたことによって、徐々に二つの世界の垣根がなくなっていくのだろう。
そして、鏡に映ったような二つの世界が広がってく。
《アップサイドダウン》まとめ
ファンタジーのようなおとぎ話のような異世界の物語。
下の世界の貧困層の男と上の世界の富裕層の女が恋をして、その恋の先には幾多もの困難が待ち受けている。それでも二人の恋は宇宙の法則までも凌駕してしまう。
この作品のようなおとぎ話でも悪くはないが、同じような世界設定でアクションと科学時術をもっと前面に出したストーリーも見てみたい。