
アンダーワールド第2弾。前作よりも面白くなっている。特にストーリーに重厚感が増してきて登場人物の関係性が複雑になって来たのだが、少ないのでややこしくはない。
最初の不死者で最強の人間アレクサンデル・コルヴィナス。彼が自分の息子可愛さで1000年以上も彼らを放っておいたため、関係のない人々も巻き込んだ吸血鬼一族と狼男族の抗争が果てしなく続いている。彼は両者の戦いを止めるのではなく、争いが起きるたびにその後始末を密かにして回っているようだ。狂暴な闇の二つの種族を生み出した原因が自分なのにも関わらず、ただ息子たちの兄弟げんかを100年間傍観してきた。
《アンダーワールド》作品情報
原題:Underworld Evolution
公開年:2006年
製作国:アメリカ
上映時間:106分
監督:レン・ワイズマン
評価:85
《アンダーワールド》感想
吸血鬼族
セリーン
吸血鬼族の女性処刑人。黒い衣装を身にまとい情け容赦なくライカンを抹殺する姿がカッコいい。
元は人間だったが、幼い頃吸血鬼族最長老の1人ビクターによって吸血鬼となる。
しかも、ビクターがセリーン一家を殺した理由は、1作目では彼が人間の血が欲しくなったため、セリーン一家を惨殺したとなっていたが、今回は、セリーンの父親が、ライカンの始祖ウイリアムの幽閉場所を建築しておりその場所を秘匿する為、口封じのため殺したとなった。
このほうがビクターが血の欲望に負けたのではなく、セリーンの家族を殺した理由としては納得できるし、物語の重厚感も増してくる。
ライカンの始祖ウイリアムに終始劣勢だったセリーンだが、不死者アレクサンデル・コルヴィナスから直接血を受け彼の因子を体内に入れてからは、ウイリアムと互角かそれ以上の強さを見せるようになった。しかも太陽の光を浴びても灰化しないヴァンパイアの最大の弱点も克服してしまう。という事は最強ではないか? この能力を持つものはまだ吸血鬼族では一人もいない。
これで、セリーンとマイケルは吸血鬼族の長老ビクターとマーカス、そしてライカンの始祖ウイリアムを倒したことになる。史上最強いのカップルの誕生だ。
前作一用にセリーンのアクションも増々冴えてきた。
アクション以外にも、今回はウイリアムと恋に落ちベットシーンもあったが、やはりスレンダーな体型だけあって、綺麗でかつ色っぽさも兼ね備えている。
ビクター
吸血鬼族最強の3長老の1人。
前作でセリーンの復讐に会い殺される。
元は東欧のある地域を治める残虐な領主だったが、老衰死の直前マーカスと契約を交わして吸血鬼となる。
アレクサンデル・コルヴィナスからマーカスへと流れるウイルスによる因子は非常に強力なため、普通の人間の体内に取り込まれると死に至る。しかしビクターはマーカスから因子を受け(噛まれた)生きていたところを見ると、アレクサンデル・コルヴィナスの子孫かまた別の特別な因子を持っていたのだろうか。
ビクターは領主であるため社会的地位がマーカスより高い。しかも、双子の弟であり狼男と化したウィリアムを捕える為の軍を出してもらったため心理的にはビクターの方がマーカスよりも優位な位置にいる。
なぜ、マーカスは吸血鬼族の始祖であり、ビクターをヴァンパイアにした恩人であるのに、ビクターの方が偉そうなのだろうと思っていたが、領主と被支配者の関係だったのだ。
マーカス・コルヴィナス
アレクサンデル・コルヴィナスの実の息子。
ウイリアムの双子の兄。
吸血鬼族の始祖。
一族最強の3長老の1人。
なぜマーカスは今ならウイリアムとうまくやっていけると考えたのだろうか?
800年前は理性の欠片もないウイリアムをビクターは幽閉した。
当時は野獣としか言いようのいウイリアムをそうするしかなかったが、兄弟である自分だけには理性的になってくれると信じていたようだ。
たしかに、1作目でライカンの医師ジングの血を飲んで予定より早く復活した。これによりマイケルと同じ混血種になるのだろうか。
見た目は完全に蝙蝠の親玉のようだが。
元からあの姿なのだろうか?クレイヴンの血によって、本来の姿からも乖離しているのだろうか。
しかし、血を飲んだだけで、相手の記憶が全て流れ込んでくるのは便利だ。嘘をつかれることはないし、説明の手間も省ける。マーカスも裏切り者クレイヴンに咬みついて眠っていた間に起こったことを瞬時に理解してしまった。
アメリア
3長老の1人。
綺麗で、凛々しい。
彼女の詳しいことは分からない。前作でライカンの襲撃に会い殺されてしまった。
強さも不明。
ボウガンの使い手のようだ。
もっと活躍する姿を見たかった。
アンドレア・タニス
吸血鬼族の歴史文献記編者。
ビクターの秘密を知る人物の一人。ありのままを記録した為、ビクターがセリーンに命じて監禁される。
セリーンは一族の謎を知るタニスを訪れるが、以前とは違って彼はずいぶんと快適な生活をしていたようだ。
それも、ライカンの長ルシアンからの援助によるものだった。
彼も面白い人物だ。戦いは得意ではなく、自分の知識と引き換えに取引を行うタイプだ。それに、いつかはビクターが自分を殺しに来るかもしれないと予想して、ルシアンから護衛の為に凶暴な狼男を借りていたようだ。
しかし、セリーンをまんまと罠にはめた思ったタニスだったが、予想以上に彼女は強くなっていた。しかも、マイケルという、思いもしない混血種を連れて現れた。
狼男族
ウイリアム・コルヴィナス
アレクサンデル・コルヴィナスの実の息子
マーカスの双子の弟。
狼男族の始祖。
ビクターによって監禁される。
ウイリアムを殺すと、狼男やライカンの全てが死んでしまい、マーカスを殺すとヴァンパイア族のすべてが死んでしまうと思っていたためだ。
これはどうも、マーカスが自信の身の安全のためにビクターについた嘘のようだ。
そうでも言わないとビクターはウイリアムを殺してしまうだろうし、ウイリアムを生かしておこうとするマーカスも邪魔だと考えるだろうから。
理性がないが強い。マーカスより強く手に負えないため牢獄へ監禁される。
マーカスは自在に人間に戻れるのに、ウイリアムは人間の姿に戻ることが出来ず、理性も失われている。
そのため、ビクターによって監禁されてしまった。何百年間も監禁されていてもなお普通に動けるとは、凄まじい生命力。
人間
アレクサンデル・コルヴィナス(ロレンゾ・マカロ)
人間なのに最強。
約1000年前にウィルスに感染して不死者となる。
しかも、 ヴァンパイアの始祖とライカンの始祖の親で過保護な親ばか。
ただ、息子の不始末をしりぬぐいしていたのだ。
この不死者の親ばかのせいで千年にも及ぶ兄弟喧嘩の果てに、多くの巻き添えを生み出した。
そのしりぬぐいを世間に知られずにせっせとやっていたとは。
特に、父である彼はは狼男に変わり果てたウイリアムと狼男族を自らの手で始末しなければならないのに、不死と財力を使って、陰から見守ると言えば聞こえがいいが要は隠蔽していたのだ。
自分の蒔いた種なのだから、しっかり子供を躾けて監督する責任があるだろう。
狼男になってしまったウイリアムを兄であるマーカスと父であるアレクサンデルがきちんと息子と向き合わずにいた為、こんなことになってしまった。
しかも、最後の最後まで自分でけじめをつけようとせず、自らは死を選んでセリーンにすべてを託したかのように言っていたが、結局は丸投げしたのだ。
狼男のウイリアムは吸血鬼のマーカスよりも強い。しかし、ウイリアムよりもアレクサンデル・コルヴィナスがウイルスに感染した最初の不死者であるためより強いはずだ。しかし、自身は一切戦おうとしない。すべてハイテク装備させた人間にやらせている。しかし、アレクサンデルの部下たちはすべてウイリアムに噛まれた後にしに至らず狼男になっていたので、人間だけとアレクサンデルの子孫のようだ。
マイケル・コーヴィン
吸血鬼と狼男の混血種。
アレクサンデル・コルヴィナスの直系の末裔。
初めての二つの種族の混血種。自分の意思でライカンように変態できる素質と、一定期間の間に血を取らないといけない事や、普通の食事をできないなどヴァンパイアの素質の両方を持つ。
しかし、戦闘能力に関してはライカンの始祖ウイリアムや吸血鬼族の長老ビクターと互角に渡り合うことが出来る。
ウイリアムを開放する鍵
ウイリアムを閉じ込めている棺桶を解除する鍵は、ソーニャが身に着けていたペンダントが一つ目。
これは、ソーニャが実の父ビクターに処刑された時、形見としてルシアンが持ち去って逃走した。
それ以来何百年間もの間、ルシアンが身に着けており、その後ルシアンが死ぬ間際にセリーンに託す。
ルシアンはこのペンダントがウイリアムを開放するための鍵だといつの時点かは分からないが、知ったのだろう。そして、ヴァンパイア族の年代記編纂者に近づき快適な監禁生活との交換条件として、彼の持つ情報を手に入れたのだろう。
もう一つの鍵は、なんとビクターの体内にあった。用心深い彼らしい。誰にも渡すまいという強い執念を感じる。これではビクターを倒さない限り鍵を手に入れることは不可能だった。
最後の鍵は、セリーンの記憶の中にあった。幼い頃、父の仕事場に来ていたセリーンはつい最近までそのことを全く覚えてはいなかったのだ。
マーカスにとってはウイリアムを開放するには、これら3つの鍵が必要だった。どれか一つでも欠けていると、ウイリアムを助け出すことが出来なかった。
ウイリアムとマーカスの死
ライカンの始祖であるウイリアム、ヴァンパイアの始祖であるマーカス。
どちらも死ぬとそれぞれの一族が全員死んでしまうというのは、マーカスがビクターに吹き込んだ嘘だったようだ。
ビクターが死ぬ間際にマーカスと取引した際、マーカス自身の身の安全のためについた嘘だった。
そうでもしなけらば、とっくの昔にヴァンパイアとなったビクターにウイリアムとマーカスは殺されていただろう。
ビクターとしても、確認の用が無かった。本当であった場合、自分も死んでしまうのだから。ただ、狼男やライカンん始祖ウイリアムで試して見ることは出来たはずだ。ウイリアムを殺してもライカンたちが生きていれば、マーカスの言ったことは嘘だと判明する。そうしなかったのは、マーカスとの約束があったからのようだ。
《アンダーワールド》のまとめ
マーカスも混血種になりしかもコルヴィナスの息子と繋がりが深いため、マーカスが強いはず。
しかしそのマーカスより強いウイリアムをマイケルは倒してしまった。
因子の濃さで考えると最初の不死者アレクサンデル・コルヴィナスが一番強いのだろうが、マーカスにやられた状況を見るとあれくらいで不死者である始祖が死んでしまうのだろうかと疑問に思う。
セリーンはコルヴィナスに向かって、息子たちより強いのになぜ放置しておくのかと糾弾していた。
という事は、本気を出せば、マーカスを殺すことも出来たが、実の息子と殺すことが出来ず甘んじて殺されたという事だろうか?
コルヴィナスを除くと一番強いのは誰か?
吸血鬼族の始祖マーカスは、ライカンの血を取り込んで混血種にはなっていないのだろうか。マイケルとはちょっと違うようだ。
しかし、以前よりも強くなっていることは確かなようだ。
セリーンはコルヴィナスの因子をもらい、新たな強さを手に入れた。そして、マーカスにパワーで互角かそれ以上の強さと発揮する。
マーカスとビクターを倒したセリーン。そしてウイリアムを倒したマイケルこのどちらかが最強となるが、アレクサンデル・コルヴィナスの因子を受けたセリーンの力が未知数なので、どちらが強いは実際に戦ってみないと不明。
ところで、アレクサンデル・コルヴィナスのもう一人の息子はどうなったのだろう。マイケルの先祖にしてマーカスとウイリアムの兄弟。人間として生きた彼は不死ではなかったのだろうか。
アレクサンデル・コルヴィナスはウイルスによって不死者となったのだから、マーカスとウイリアムはそれぞれ蝙蝠と狼に噛まれたから不死者になったのではない。アレクサンデルの息子だから不死者になったのだ。しかし、人間の場合、アレクサンデル以外は不死ではないようだ。