アメリカのマーベル・コミックをベースにしたスーパーヒーロー映画。MCU(マーベル・シネマチック・ユニバース)の第一作目。2010年に『アイアンマン2』、2013年に『アイアンマン3』が公開されている。
《アイアンマン》作品情報
原題:Iron Man
公開年:2008年
製作国:アメリカ
上映時間:126分
監督:ジョン・ファヴロー
評価:85
《アイアンマン》主要キャスト
トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)
スターク・インダストリーズ社のCEO。大富豪であり天才発明家。アイアンマンの制作者。
ヴァージニア・“ペッパー”・ポッツ(グウィネス・パルトロー)
トニーの秘書。身のまわりの世話もしている。
オバディア・“オビー”・ステイン(ジェフ・ブリッジス)
スターク・インダストリーズ社のNo.2。野心家。
《アイアンマン》ネタバレなし感想
結構情報量が多すぎて、1回見ただけでは後から鍵となるシーンを見逃してしまう恐れがある。でも、1回見ただけでも十分面白さは体感できるし、パワードスーツのアイアンマンのカッコよさも思う存分堪能することが出きる。そして2回、3回見ると後から「そういうことだったのか」と納得する箇所がどんどん出てくる。
この作品の面白さは、『アイアンマン』だけではなく、主人公のトニーの魅力で成立していると言っても言い過ぎではない。トニーは決してヒーローと言えるような人格者ではない。いつも周囲を振り回す欠点だらけの人間だ。でも、完璧な人物より多少は、トニーは多少じゃないけど、欠点がある方が魅了的な場合がある。その欠点だらけの主人公に支えられたアクションヒーロー作品だ。
以下ネタバレ
《アイアンマン》あらすじ
巨大軍事会社のCEOトニー・スタークはプレゼンテーションのためアフガニスタンに赴いた際、テロ組織に拉致監禁される。爆発の衝撃から目を覚ますと、車用のバッテリーが自分の胸に埋め込まれた装置に繋がれていることに気付く。心臓付近に爆弾の破片が刺さっており、それを電磁磁石でひきつけておかなければ、トニーの命は1週間と持たないそうだ。トニーはテロ組織からクラスターミサイルの制作を強要される。自分の命を救ってくれたインセン博士とともに制作を開始するが、ミサイルの制作に見せかけてパワードスーツを作り始める。
《アイアンマン》感想
トニー・スターク
彼は欠点だらけの人間だけど天才。しかもスターク・インダストリーズ社のCEO。
人の都合は意に介さず、平気で人を何時間でも待たせる。会社の行事は平気ですっぽかして遊び歩いている。わがままで自分勝手で、周りがどれだけ迷惑をこうむっているのかを、本人は自覚しているのかいないのか、それすらも分からないぐらいとぼける。
彼の科学的才能は父親譲りで、父の跡を継いで軍事兵器会社を引き継いだ。よい強力な平気で敵を殲滅し、反撃の意志を根こそぎ奪うぐらい叩けば平和が訪れると本気で信じていた。トニー自身がテロ組織に拉致されるまでは。
トニーは自分を拉致したテロ組織が大量の自社の兵器を持っていることにショックを受ける。しかもその兵器によって自分を護衛してくれている若い兵士が、つい今まで一緒に写真を撮っていた兵士たちが突然殺されていく。
トニーはそれまで軍事産業の世界にどっぷりつかっていたのだから、自社の兵器がどう流通しているかまでは想像できなかったのだろう。
何とか生還したトニーは自社の軍需産業からの撤退を表明する。当然周囲は大混乱。トニーのCEO解任要求が出される中、テロリストに対抗するめ私費でアイアンマンを作り上げる。
アイアンマンの開発シーンが面白い。足の部分、次は腕の部分とパーツごとに少しずつ装着して、試してみて、暴走して、周りを破壊して徐々により良いものに進化していく過程がいい。トニーのアイアンマン制作の助手は2台ロボットアーム。優秀なのとそうでないのとがいるのだが、そうでない方のロボットアームは、ちょっとズレていて、いつもトニーに怒られているのだが、そこがなんだかかわいらしく思えくる。
オバディア
トニーがアフガニスタンで殺されそうになったのは全部こいつのせいだったとは。こいつがゲリラに情報や武器を横流ししていたからだった。ようやくカラクリが見えてきた。オバディアはトニーが邪魔だったのだ。トニーの父と供、スターク・インダストリーズ社と立ち上げ、トニーの父が亡くなった後は、暫定CEOとして指揮を取り、トニーが成長した暁にはトニーにCEOの座を譲り自分はNo2としてトニーを支えてきた。しかし、トニーを支えるふりをして、自分がトップに着くことを裏で画策していたのだ。オバディアの裏切りに全く気付いていなかったトニーはまんまとその罠にはまってしまった。しかし、オバディアはトニーを見誤っていた。トニーは驚異の才能とあきらめない強い精神力、そして幸運の持ち主であることを。
ペッパー
トニーの秘書兼奥さんのような存在。プライベートでもこまごまとトニーの世話を焼いているようで、トニーを上司としてうやまってるだけではなく、好意をもっているようだ。その気持ちが時々表情に出てくるのがなんともかわいらしい。でも、テロ組織に攫われたからだろう、トニーの身を一番心配している。アイアンマンを見ればとんでもない無茶なことをしていると誰でも思うだろう。
ペッパーのトニーを思いやる気持ちがトニーの命を救うことになる。トニーの心臓を守る一番最初の小型リアクターをペッパーに取ってもらったわけだが、それを大切に保管して返してくれたから、オバディアに小型リアクターを取られても替わりのがあったのだ。
アイアンマン
マーク1はテロ組織のもとで作ったパワードスーツのことだ。何もないところから、超小型アーク・リアクターをまず製作した。もちろん自分の命を守るためにだ。
マーク1はその圧倒的火力でゲリラどもを蹴散らし、そこから脱出するがそれほど飛翔距離が伸びず砂漠に墜落、スーツはバラバラに飛散した。木っ端みじん飛び散ったスーツの部品一つ一つを丁寧に砂の中なら探し出し、トニーの残した図面を頼りに組み立て直したテロ組織の技術と執念もすごい。
マーク2からマーク3への改良もすごい。スーツを装着するのにも、マーク2では各パーツをボルトとナットで留めていたのが、マーク3になったら、各パーツがそれぞれ意思をもっているように、くっついていく。見ていて気持ちがいい。
《アイアンマン》まとめ
『アイアンマン』という強烈なインパクトのあるキャクターが、MCUシリーズの第1作目に登場してものすごい衝撃を受けた。米軍戦闘機にも全く引けを取らない戦闘力を持つパワードスーツをトニーが趣味のような感じで自主製作したのだから、もう見ていてワクワク感しかない。