第3次世界大戦後、次に世界大戦が起こった場合人類は滅亡すると思い、人間のすべての感情をなくすことによって戦争を抑止しようとする。
そして、国民に毎日感情抑止薬を投与させ徹底した国家管理体制を築いた。
違反者にはクラリック(聖職者)を中心とした警察によって厳しく処罰される。
《リベリオン》作品情報
原題:Equilibrium
公開年:2002年
製作国:アメリカ
上映時間:107分
監督:カート・ウィマー
評価:78
《リベリオン》登場人物
ジョン・プレストン(クリスチャン・ベール) 主人公。第1級のクラリック
ロビー・プレストン(マシュー・ハーバー) ジョンの息子。クラリック候補生。
リサ・プレストン(エミリー・シーワート) ジョンの娘。
エロール・パートリッジ(ショーン・ビーン) ジョンの相棒。クラリック。「違反者」だったためジョンに射殺 される。
アンドリュー・ブラント(テイ・ディグス) ジョンの新たな相棒。
メアリー・オブライエン(エミイリー・ワトソン) 「違反者」の女性。彼女に出会ってからジョンに変化が起こ る。
デュポン(アンガス・マクワーデン) 「テトラグラマトン党」の第3評議会副総統。
ファーザー(ショーン・パートウィー) テトラグラマトン党首。
《リベリオン》あらすじ
第1級クラリックであるジョンは、一切の憐みも同情もなく日夜「違反者」を処刑していた。
ある時、ジョンは相棒のパートリッジが「違反者」の押収品を隠し持っているのを見つける。
不審に思ったジョンはパートリッジが「違反者」であることを突き止め彼を自らの手で射殺する。
模範的クラリックのジョンだったが、ある時誤って感情抑制薬であるプロジアムを落としてしまう。しかも、新しいプロジアムをもらい損ねてしまい、服用を怠る。
新しい相棒のブラントと共に「違反者」の女性の捜査に出向いたジョンはそこでメアリー・オブライエンと出会う。
たまたまプロジアムを服用していないときに、メアリーと出会ったことによって、ジョンの運命が大きく変わっっていくことになる。
《リベリオン》ネタバレ感想
ガン=カタ
カンフーのような動作で2丁拳銃を操る戦闘術。
これがまたものすごくカッコいい。この作品が成り立っているのは、この「ガン=カタ」があるからだ。これが無かったら、ただのアクションSFで終わってしまう。
移動しながら素早く銃を繰り出し、立て続けに銃弾を叩き込んでいく。
カンフーと拳銃という全く違う攻撃手段を融合させたところが新しい。かたや中国武術の代表的格闘技。一方、科学技術の詰まった武器。この相いれない二つのものを組み合わせて攻撃技としたのだから目新しいなんてもんじゃない。しかも、動きがスタイリッシュで斬新だ。
それに、カンフーだけではなく、剣術まである。
第1級クラリックであるジョンには、マシンガンや拳銃を持った複数の敵に囲まれ集中攻撃を受けているにも関わらる、決してジョンには弾が当たらない。
ジョンが第1級クラリックの中でも最強なのは、ラストのバトルでよくわかる。デュポンを護衛していた精鋭たちを瞬く間に切り捨ててしまった。格が違い過ぎる。
そのジョンと何とか互角に戦えるのが副総裁のデュポンだった。しかし、実践経験の差からジョンが勝利することになるのだが、デュポン達はジョンの力を見くびっていたようだ。これほどの強いとは予想していなかったのだろう。
以前、ジョンとブラントが練習試合をやって相打ちの互角だったが、その時ジョンは相当手加減していたのだと思う。
もう一度言うが、周囲を敵に囲まれて銃弾を叩き込まれているはずなのにジョンには1発も当たらない。敵の放つ銃弾の動線に立たないから当たらないらしいが、それにしてもあの距離から当たらないのはまさに神の域だ。
クラリック(グラマトン・クラリック)
ガン=カタを極めた特殊捜査官。
第1級クラリックになると、あらゆる権限が与えられている。警察の捜査1課長みたいなものか。現場を指揮し、押収品も自由に閲覧できるし、「違反者」をいつでも取り調べできるよだ。
ジョンの息子ロビーのように、幼少期から英才教育を受けクラリックを目指す。
1種の特権階級だ。
しかし、なりたいものが誰でもクラリックになれるわけでもない。ジョンやブラントのように「違反者」を瞬時にかぎ分ける能力を持っている人間でなければならない。
優秀な能力は遺伝するのだろう。親が優秀なクラリックだと、子供も優秀なクラリックになるようだ。
プロジアム
第三次世界大戦を経て、人類は悟った。このままでは第四次世界大戦が起こった暁には人類は滅亡すると。
それを防ぐには、人間からあらゆる感情を取り去るしかないと。
しかし、ジョンのように感情を抑制する薬「プロジアム」を1回打たなかっただけで、本来の感情が戻ってしまうとは持続性のない薬だ。いったん感情が芽生えてしまうと、今度はこの沸き起こる気持ちを失いたくないと思うのだろう。そして「プロジアム」を撃たなくなってしいそのまま反乱者の仲間入り、という流れだ。
ジョンの息子ロビーと娘リサも母が連行されてから、「プロジアム」の投与を止めていたようで、しかもそのことを父親でさえ気付いていなかった。息子のロビーの方がよっぽど父親より冷静で、状況判断が優れている。
《リベリオン》まとめ
ストーリーもおもしろい。ラストに逆転からの逆転があってアクションだけでなく大いに楽しめた。
しかし、なんといっても「ガン=カタ」。強烈に印象に残るカンフーと銃撃の攻撃技だ。
「違反者」全員を倒して、最後に体の前に銃口を上下に向けての決めポーズまである。これだけ見るとなんとも変なポーズだが、「ガン=カタ」の一連の流れの最後のポーズとして見ると決まっている。