映画《最強のふたり》あらすじネタバレ感想:境遇の全く違う二人の奇跡の出会いから生まれた幸福

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事故の後遺症で首から下を自力で動かすことができないフィリップ。
新しい介助の人を雇うことにするのだが、その面接会場に、どう見ても場違いな黒人青年のドリスがやってくる。
歳の差と性格の違いによって、始めはぶつかり合う二人だが・・・

目次

映画《最強のふたり》作品情報

原題:Intouchables
製作国:フランス
製作年:2011年
上映時間:112分
監督:エリック・トレダノ
評価:78

映画《最強のふたり》あらすじ

 大富豪のフィリプは、パラグライダー事故の後遺症で、首から下を自分の力で動かすことができない車椅子の生活を強いられている。
 身の回りの世話や介助をしてもらっていた人が辞めた為、新しい人を雇うことにしたのだが、その面接会場にどう見ても一人、場違いな人物が順番待ちしている。

その人物は黒人青年のドリス。

 貧困街で暮らすドリスは失業保険を得るために、就活している体裁を装いうために、不採用とだけ書いてくれればいいという。
 他の応募に来た人々とのあまりの異質さに逆に興味を抱いたフィリプは、仮採用ということで彼を試しに雇ってみることにする。

 これまで歩んできた経歴や、性格も全く違うフィリップとドリス。

かたや介護される人、かたや介護する人、立場の違う二人が今後どうなっていくのだろうか。

映画《最強のふたり》ネタバレ感想

 フィリップは大富豪で豪華な屋敷に住み、経済面ではなに不自由しない生活を送っている。
 一方ドリスは貧困街で育ち、住むところもなく職もない。

 こんなにも性格や、立場の違う二人が四六時中一緒にいると当然意見の対立や口論も起こる。ましてやドリスは介護の経験など全くない。


 それでも、対立と相手の考えを受けれることを繰り返しているうちに、次第にお互いの世界観を理解し始めるようになる。

 そしてフィリップにあって、ドリスにない物。逆にドリスにあってフィリップにはない物。お互いが自分にない物を相手の中に見つけ始めたとき、徐々にお互いを尊重しあうようになる。

 そして、お互い影響しあいフィリップはユーモアとこれからの人生に希望を、ドリスは知識と知性を学んでいく。

 本当にお互いを信頼できる親友になれるのは、貧富の差や、人種の違いなど関係ない。
 どれだけお互いが相手の事を理解できるかだ。相手に対して同情する必要ない。それどころか同情は嫌われてしまう。
 相手が今一番悩んでいること、困っていることを知ること。ただそれだけでいい。
 知ってもらうこと、そして理解してくれる人に対して信頼を寄せること。

 これだけうまく噛み合った二人が出会えたことは奇跡だ。

ドリスのユーモアのあるジョークにも慣れてきたフィリップは、それでもドリスの度を越したいたずらには困り果てる場面がおもしろい。

フィリップが自力で体を動かせないことをいいことに、いたずらすることも。

ドリスはこれまでの環境から、不遇に甘んじてきた。悪い仲間ともつるんできたが、理解力もあるし、機転も聞く、真っすぐな性格で曲がったことが嫌い。そして、相手を思いやる気持ちと家族愛が強い。そしていつも、血の繋がりがない兄弟を気にかけている。

 苦労して来た人は、人を見抜く目を持っている。フィリップのことも障害者としての同情や憐みの目ではなく、一人の男として接している。そして、それが分ってるフィリップだからこそドリスに心を開いていったのだろう。

 最後のフィリップの髭をそる場面。ドリスは完全に年上のフィリップをおもちゃにしているが、フィリップも同じようにその時間を楽しんでいる。思わず吹き出してしまったが、見ていてほほえましい。

フィリップは何の事業で成功して大富豪になれたのかは分からないが、あれだけの富を築いたのだから、事故の前までは行動的でバリバリ仕事をこなしていた経営者だったのだろう。

 しかし、事故のあとは、なにごともあと一歩というところで勇気が持てず、自らの気持ちが引きこもった状態になってしまったのだろう。

そこに現れたのが、黒人青年のドリスだった。

ドリスはフィリップの内にこもった心を力づくで引きずり出した。

 ドリスはフィリップに文通相手の女性に無理やり電話をかけさせ、実際に会う段階まで行ったのに、また、フィリップに悪い心癖が出てしまい、待ち合わせの場から逃げ出してしまう。

しかし、ドリスが最後に感動の大逆転劇をセッティングしてくれた。

 人は、いやなこと、厄介なこと、つらいことからはつい逃げ出したくなってしまう。

そんな時、身近にドリスのように強く背中を押してくれる友人がいてくれれば、どんなに幸せになれることか。

 やはりこの二人が出会えたの本当に奇跡だ。

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