映画《ザ・クリエイター 創造者》あらすじネタバレ感想:感動するSF作品

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「AI」を取り上げた新たな映画が登場した。しかも面白いし感動するSF作品になっている。

目次

映画《ザ・クリエイター》作品情報

原題:The Creator
製作国:アメリカ
製作年:2023年
上映時間:133分
監督:ギャレス・エドワーズ
評価;83

映画《ザ・クリエイター》主要キャスト

ジョシュア:ジョン・デヴィッド・ワシントン
 ニューアジアで潜入捜査をしている欧米側の軍人。マヤの夫。

アルフィー:マデリン・ユナ・ヴォイルズ
 AI側の最終兵器「アルファ・オー」。進化型AI。

マヤ:ジェンマ・チャン
 ジョシュアの妻。ニューアジアの住人で妊娠している。

ハウエル:アリソン・ジャネイ
 欧米側の軍人。大佐。AI側の最終兵器破壊の為に、特殊部隊を率いてニューアジアにある拠点を攻撃する。

ハルン:渡辺謙
 シュミラント(模造人間)。AI側の軍の指揮官。

映画《ザ・クリエイター》あらすじ

進化を遂げたAIは、ある日ロサンジェルスで核を爆発させる。この爆発によりは100万が死亡する。これを機にアメリカおよび欧米諸国は、AIを危険視し、すべてのAIを破壊することを決定する。
一方、近未来のアジア圏、ニューアジアはAIとの共存を続け、より進化したAI、シュミラント(模造人間)を作り出し、彼らと平穏な社会を作り上げる。
2065年、ニューアジアで潜入捜査をしていたジョシュアは突然の欧米側の特殊部隊の攻撃により妻のマヤを亡くしてしまう。
5年後、精神的に立ち直れないでいるジョシュアのもとに欧米側の軍の高官が訪れ、AIが完成させているという、最終兵器「アルファ・オー」の発見と破壊の為の特殊部隊のチームに、加わってほしいと依頼がくる。難色を示すジョシュアに高官が「マヤがまだ生きている」と告げると、ジョシュアはマヤに会うためにその作戦に加わる決心をする。

以下ネタバレ注意

映画《ザ・クリエイター》ネタバレ感想:主要キャスト

ジョシュア

潜入捜査しているうちに、心底マヤを愛してしまったジョシュア。もうじき赤ん坊も生まれる幸せな日々の中で、自分の身分を隠し続けることはさぞ辛かったことだろう。毎日、妻を裏切っているという気持ちが沸き上がってくるのだから。

しかし、そんな二人の関係も、ジョシュアの知らない特殊作戦によって終わりを迎える。そして、マヤはノマドの爆撃によって命を落とす。

ジョシュアの当初の目的は、AIとニューアジア勝利の鍵を握る兵器「アルファ・オー」を作ろうとしている創造者「ニルマータ」の娘であるマヤに近づこうとしたのだろ。はじめから指輪をもっていたことから、マヤの夫になることも捜査の予定範囲内だったようだ。

しかし、マヤが妊娠し、平穏な日々が続くうちにAIを敵視する欧米側の考えに疑問を持ち始めたのではないか。治安を守るAI。住民と農作業するAIを見ているうちに、ますます本当にAIは『悪』なのだろうかと疑い始めたではないだろうか。その矢先に、欧米側のいきなりの襲撃にあい、最愛のマヤを失い、その後絶望に暮れる5年を過ごす。

当初は、AI破壊を目的としていたジョシュアの心境は、アルフィーと行動を共にするうちに正反対の物へと変わっていく。そして、命をかけてこのAIの少女を守り抜く。

ジョシュアが厳重な監視下に置かれているアルフィーを連れ出したために、ふたりは欧米側の軍とニューアジアのAI警察の両方から追われることになる。その逃避行の中で、ジョシュアのAIに対する認識が徐々に変わり始める。

マヤ

マヤもジョシュアに隠していたことがあった。AIとニューアジア側が有利に立つように開発された最終兵器、「アルファ・オー」であるアルフィーを作り上げたのはマヤだった。しかも、アルフィーは自分のお腹の子をスキャンして作ったという。

マヤはアルフィーの心を作る際、どのような選択もできた。人間を憎むようにすることもできたし、逆に愛するようにすることもできた。

マヤがどちらを選んだかは、アルフィーがすぐにジョシュアになついたことからもよくわかる。しかも、ジョシュアはスキャンした胎児の父親なのだから。

しかし、ジョシュアが潜入捜査官と知った時はショックだっただろう。すぐさま殺そうとしていた。ジョシュアはマヤに軍を止めたと言っていたようだ。欧米側の軍を止めて、ニューアジアへ来たと説明していたのだろう。

それが全くの嘘で、マヤに近づくためそしてAIの兵器『アルファ・オー』を調査するために送り込まれた軍の潜入捜査官だった。

マヤは、あの上空の巨大戦闘艦「ノマド」からの爆撃によって、植物状態になっていた。そのマヤの意識をコピーしたメモリを、「ノマド」でアルフィーはマヤのAIへ移した。

ということは、ラストで目覚めたAIのマヤの記憶はジョシュアに裏切られ、ノマドに爆撃された時の状態から再開しているのではないだろうか。そうであれば、AIのマヤがジョシュアを見つけて駆け寄ったりしないのではないか。

それとも、横たわっていたマヤは自分の意思で体が動かせないだけで、脳は5年間活動していたのだろうか。そうであれば、植物状態のマヤの生命維持装置を切ってしまうのは残酷だ。

ハウエル

始めは、軍の女性高官として登場し、次に敵地で部隊の指揮官として出てきた時は、カッコいいと思っていた。しかし、部下だけ輸送機から降ろし、自身は安全な空へと飛び立った時は、「実際に部隊を率いて指揮しないのか」と思ってしまった。

背中に爆弾をつけられたまま、輸送機に乗り込み爆発した際は、完全に死んだと思っていた。しかしそのあとピンピンして登場してくる。爆弾を取りはずすシーンを見落としたのだろうが、分かりづらかった。

再度、背中に爆弾を取り付けられたときは、見事に爆砕してしまった。最後はなんか、滑稽な軍の指揮官だった。

アルフィー

AI側の最終兵器。この兵器があれば今の西欧側の優勢を劣勢に変えられるという。

さぞかしどんなにすごい兵器かと思えば、幼い少女だった。つぶらな瞳で見返してくるその表情には、ジョシュアはもとより誰もが守らなければと思わせてしまうものがある。

生まれた時から、厳重な部屋に閉じ込められた為か、アルフィーは「自由が欲しい」と言っていた。この言葉は、自分のこれまでの境遇から出た言葉かそれとも、AI全体を指しての言葉か。

ニューアジアではAIは人間と共存している。とはいえ、職業にしろ何にしろ、人間と同じ自由は与えられていないのだろう。模造人間「シュミラント」でさえも、すべてが自由というわにはいかないだろう。

アルフィーは進化型AIだという。年齢と共に意識が成長するというのは理解できるが、体の方はどうなのだろうか。意識と同じ様に体も大きくなっていくわけではないだろう。体は年齢に合わせて交換していくのだろうか。進化型というのは意識だけのことを指して言っているのだろう。

最後にアルフィーはニューアジアの住人から、創造者『ニルマータ』と称えられていた。これから、彼女はどのような存在になっていくのだろうか。

映画《ザ・クリエイター》ネタバレ感想:AIと人間の共存

いままで多くの作品でAIが取り上げれれてきた。『メトロボリス』(1926)、『2001年宇宙の旅』(1968)、『ブレードランナー』(1982)、『ウォー・ゲーム』(1983)、『ターミネーター』(1984)、『トータル・リコール』(1990)、 『マトリックス』(1999)、『A.I,』(2001)、『アイ、ロボット』(2004)、『イーグル・アイ』(2008)、『her/世界でひとつの彼女』(2013)、 『ザ・マシーン』(2013)、『エクス・マキナ』(2014)など、まだ自分の知らない作品もあると思う。

AIと人間がお互いを敵とみなし、果てしない戦争の続く世界や、生活の中にAIがある世界、この作品のように、すべての人間がAIに敵対するわけではない世界など、いろいろな未来が想像できるが、果たして現実の世界ではどのような世界が待っているだろうか。

映画《ザ・クリエイター》まとめ

『ブレードランナー』と同じ、近未来社会のアジア世界が舞台だが、印象はまるで違う。『ブレードランナー』は複雑で雑多な暗い印象を受ける作品(見た目も暗い)だが、『ザ・クリエイター』は美しいアジアの自然と未来社会が融合した壮大な世界が広がる。しかも、日中が多いので印象も明るい。ストーリー展開もわかりやすい。

面白い作品に出会えた。

ラストのノマドが地上に墜落し、それを見ていたアルフィーが泣くシーン。それが徐々に笑顔に変わるのは、周囲に集まる住民から「ニルマータ」と称えられたからだろうか。それとも、もしかして、その瞳の先にノマドから出てくるジョシュアとマヤを見ていたのではないだろか、

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