
《アンダーワールド・ビギンズ》作品情報
原題:Underworld :Rise of the Lycans
公開年:2009年
製作国:アメリカ
上映時間:90分
監督:パトリック・タトポロス
評価:78
《アンダーワールド・ビギンズ》登場人物
吸血鬼(ヴァンパイア)族
ソーニャ:ビクターの娘であり評議会の議員。
ビクター:三長老の1人。評議会の議長を務める。
アンドレアス・タニス:ビクターの秘書的存在。評議会の席を狙っている。
狼男(ライカン)族
自分の意思で狼男になったり、人間に戻ったり出来る。
狼男の時も理性を持っている、しかも強い。
ルシアン:ライカンの始祖。
レイズ:元は人間の奴隷だったが狼男に咬まれて狼男になる。
のちにルシアンの副官になる。
ウィリアム系狼男
ライカンとは違い、人間に戻ることができない。
ライカンの始祖ルシアンに従う。
《アンダーワールド・ビギンズ》のあらすじ
ウィリアム系の狼男から誕生した赤ん坊は狼男族の新たな可能性を秘めた新種族だった。ライカンと呼ばれるようになるその赤子はルシアンと名付けられる。
そして、ヴァンパイアの最長老ビクターはルシアンが利用価値があると見込んで殺さずに情けをかけていた。
しかしそのルシアンが最愛の娘ソーニャと密かに恋に落ちていた。
それに気づいたビクターは・・・
《アンダーワールド・ビギンズ》のネタバレ感想
強欲じじいのビクター
もともと人間であり、ある地区の領主だったが、死ぬのがいやでヴァンパイアになった老人。だから、ヴァンパイアになったのは死ぬ間際だったのでその時の死にそうな顔のまま不死になった。
一番ヴァンパイアっぽく見える。偉そうだけどヴァンパイアの始祖ではない。偉そうなのは人間の時領主として人に命令するのが当たり前になっていたので、その時の習慣がでいている。ヴァンパイアになってもそのまま偉そうだ。
このビクターは傲慢で強欲で非情。ヴァンパイア族の繁栄の為ならどんな事でも利用する。
産まれたばかりのルシアンを殺さずにおいたのも、ただ利用する価値がありそうだからと思っただけだ。
ルシアン達の気持ちは全く一顧だにせずライカンを奴隷のようにこき使う。
そして、ヴァンパイアとライカンの血が交じり合うことを極度に嫌悪する。
たとえそれが自分の娘ソーニャであったとしても自分の孫にライカンの血が混じると知ったとたん、娘を処刑してしまった。
しかも、ヴァンパイアの処刑方法は太陽の光を浴びるせることとは。
ヴァンパイアにとってはこれが一番むごい死に方なのだろう。黒焦げになったソーニャの姿を見ればよく分かる。
ソーニヤ
性格も行動も、姿かたちもセリーンにそっくりだ。
どちらも、一族のルールより自分のやりたいように行動する。
セリーンは一族の為にライカンを倒す処刑人になっていたが、ソーニヤは長老ビクターの娘という事もありちょっとわがままな性格だ。
評議員の一人でありながら、評議会にはほとんど出席しない。ルシアンとの恋の為ならば、長老の父であろうと殺し合いの死闘をする。
恋に一途なのはいいが、父親の立場上ヴァンパイアのルールを守るという概念は彼女の中にはきれいさっぱり抜け落ちているようだ。
ルシアン
理性を持った狼男としてルシアンから優遇される。他のライカンと違って、強制労働ではなく、剣の研ぎ師の役割を与えられている。
しかし、労働力として連れてこられた人間の奴隷を次々に咬んで、ライカンを増やしていく役割も与えられる。
仲間たち(自分が咬んでムリヤリ仲間にした元人間の奴隷だが)が過酷な重労働をさせられているのを毎日見て、いつかは全員を引き連れて脱出してやると思い続けている。
こうしてみると、ルシアンは決して悪いヤツではない。
狼男として生まれたはずが、なぜか理性のある人間の姿で生まれたし、
人間の奴隷を噛んだのも、腹黒いビクターに飢えさせられた状況で人間をあてがわれて、やむなく噛んでしまったのだし、
好きになった相手がたまたまビクターの娘だっただけなのだ。
そして、ビクター達ヴァンパイアから逃れて、自分たちだけで生きていきたいと願っていたはずだ。決して、ヴァンパイア族と敵対したいと思っていたわけではないはずだ。
ライカンに女はいないのだろうか
バンパイアには露出度の高い女性ヴァンパイアが大勢いるのにライカンには女性が見当たらない。
ルシアンはライカンの始祖となる狼男なので、当然ライカンから生まれたのではなく、ウィリアム系の狼男から生まれた。
しかし、いくら何でも男からは生まれないだろうから、狼男族の中の女狼男から生まれたのだろう。なんかややこしい。
しかし、作品の中ではウィリアム系の狼男は全部男に見える。あの中に女狼男はいるのだろうか。
これはライカンも同じだ。こっちは人間になるので見た目からも分かりやすいが、男しかいなかった。しかし、ルシアンを生んだ狼男は女狼男だったのだろう。
前作では年代記編纂者が登場したが、ヴァンパイアとライカンの生態学の研究者はいないのだろうか。
1作目ではヴァンパイアとライカンの両者とも相手の弱点を突く武器の開発にはいそしんでいた。しかし自分たちの自身のことは研究しないのだろうか。闘争で失われた兵力を増やしたい時は人間に咬みついて仲間にしていくだけなのだろか。子供から育てるよりは手っ取り早いだろうが。
ルシアンは狼男の男女のペアから生まれたのだろう。
狼男が女に咬みつけば、女狼男になるだろうから、映像に写らないだけで女狼男は存在するだろう。
《アンダーワールド・ビギンズ》のまとめ
ルシアンがビクターをヴァンパイア族を憎むようになったのは、愛するソーニヤをビクターが処刑したからだ。それさえなければ、この先何百年と続く二つの種族の闘争は起きなかった。
ヴァンパイア族とライカン族の争いの原因はビクターにある。ライカン族を誕生させたのもビクターだし、ルシアンのヴァンパイア族への憎悪の原因もビクターだ。
彼の傲慢不遜な性格、あまりにも娘の心情を無視した掟重視の堅物な性格が災いしている。
この後ビクター率いるヴァンパイア族への恨みからルシアンは強力なライカン軍団を作っていく。ソーニヤの復讐のために。