映画《ウルフズ・コール》ネタバレ感想:潜水艦映画は面白いはずなんだけれど

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潜水艦映画は面白いはずなんだけれど・・・
この作品が面白くないとは言わない。それなりに緊張感もあって、でも・・・

後に「でも」がつく。
あの主人公のせいだ。

ソナー員としてはものすごく優秀なのだろ、しかし軍という厳しい規則に縛られる中であんなことするとは。情けなさ過ぎて主人公に感情移入できない。

《ウルズ・コール》作品情報

原題:Le Chant du loup
公開年:2020年
製作国:フランス
上映時間:116分
監督:アントナン・ポードリー
評価:70

《ウルフズ・コール》のあらすじ

フランス海軍の攻撃型原子力潜水艦「チタン」号のソナー員として働くシャンテレッド通称ソックスは判断ミスから潜水艦を危機に陥らせる。

任務終了後もどうしても今まで聞いたことのないソナー音のことが気になって、司令官のパスワードを無断で使って機密情報を盗み見てしまう。

しかし、シャンテレッドの特殊技能を買われて、新しく浸水する原子力潜水艦「レフローヤブル」号のソナー員として抜擢される。

意気込んで乗艦しようとするが尿検査で大麻吸引の疑いが出て乗艦できない情けない事態に。

しかし、その直後ロシア原子力潜水艦から弾道ミサイルが欧州に向かって発射される。

この緊急事態に乗艦できなかったシャンテレッドの能力が活かされる。

《ウルフズ・コール》ネタバレ感想

いい加減な主人公

最初の判断ミスは仕方がないと思う。いままで聞いたことのないソナー音だったわけだし、「黄金の耳」と呼ばれる彼でも識別できない場合もあるだろう

しかし、司令官のパスワードを盗んで機密情報を見るのは許されることではない。厳しい罰則が科されるのが当然だがなぜか大目にみられてしまった。いくら優秀な技能を持っているとはいえそれでいいのだろうか。軍の規律はどうなる。

しかも、艦長に抜擢されて最新の原子力潜水艦のソナー員として引き抜かれたのに、尿検査で大麻を服用していることがバレて乗艦できない情けなさ。

なんなんだ、この主人公は。

大麻は彼女から口移しでもらったあれだったのだろか。

でも、大麻かどうかはその時吸い込んで分かるだろうに。

この、主人公がものすごくふがいない。

主人公以外の全員、自分の職務を全うしようとしているのに、職場放棄してしまう。彼の能力が一番必要な時に逃げ出してしまうとは。

主人公なのに応援できない

しかも陸に上がったほんの短い時間で彼女まで作ってやることはやって

それから忍び込んで機密情報を盗み見て見つかっている。

主人公以外はみんな自分の任務を全うする軍人

主人公以外は全員スバラシイ。艦長も、副長も、提督も。

よくある権威をかさに着て威張るだけの無能な上官は出てこない。

ただ伊藤○○似の主人公ひとりだけがふがいないだけだ。

誰が悪いわけでもない。誰もが自分の与えられた任務を全力で遂行しようとしているだけだ。

その姿がカッコいい。

あわやという所で全面核戦争を回避

結局もうちょっとで全面核戦争が始まる直前まで行くのだけど、司令部からの命令受信から核ミサイル発射までが結構長いなと思ってしまった。

核ミサイル発射の命令を受けてから潜航した後は、外界からの情報を一切遮断して、任務遂行に全力を注ぐと聞いたことがある。

もし何らかの方法で、潜航中の潜水艦に連絡がついたとしても、アメリカの場合だったが、たとえ司令官だろうが誰だろうか中止命令を出したとしても敵の陰謀と判断され無視されるそうだ。

その緊迫感が非常にうまく出ていた。 

でも、こういう場合も想定して、核ミサイルの発射を途中で中止する方法を作った方が良いのではないだろうか。これはフランス海軍だが、アメリカ海軍も同じようなものなのだろうか。たとえ、大統領命令であっても、途中で止めることはできないのだろうか。

当然、今回のように敵の情報が間違っていたとか、本当は別の敵だったということも起こりうだろ。

味方潜水艦同士の駆け引き

ラストの潜水艦同士の駆け引きは面白い

チタンは艦長が単独で向かってあえなく失敗したので、

艦長代理として一番経験がある提督が指揮を執ることになる

切羽詰まった短時間の間に両者の緊張感あふれる駆け引きが面白い。

最後の瞬間まで誘導するためにミサイルがケーブルで繋がっているようだ。

そこでどちらが先に根負けしてケーブルを切断するかの我慢比べをしていたわけだ。

《ウルフズ・コール》のまとめ

ありがちなストーリだけど潜水艦というあのゆっくりとしたクジラのような動きと、艦内の危険が差し迫ったあわただしい騒動が対照的で面白い。

やっぱり潜水艦ものは多少主人公に問題があったとしても緊張感とスリルを味わえる。

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