《イエスマン》作品情報
原題:Yes Man
公開年:2008年
製作国:アメリカ、イギリス
上映時間:104分
監督:ペイトン・リード
評価:78
《イエスマン》主要キャスト
カール(ジム・キャリー)
3年前の離婚を引きずっている銀行員。ふさぎ込ん生活で、小さい嘘をついたり、言い訳ばかりする性格。
アリソン(ズーイー・デシャネル)
趣味でバンドのボーカルをしている。平凡な毎日が苦手。
ピーター(ブラドリー・クーパー)
カールの友人。付き合いの悪いカールに不満をもっている。
ニック(ジョン・マイケル・ビギンズ)
カールの知人。カールをテレンスのセミナーに誘い、「イエスマン」になるきっかけを作る
テレンス(テレンス・スタンプ)
「イエスマン」になるためのセミナー代表。
《イエスマン》あらすじ
カールは3年前に離婚して以来、ふさぎこんであらゆる誘いを断っている。銀行で融資の担当をしているがほとんどの融資依頼を却下。友人ピーターの誘いもあからさまな嘘をついて断り続けているので愛想をつかされている。
そんなとき友人のニックが「イエスマン」になってカールの前に現れる。人から言われたことに対してなんでも「yes」と答えること。「no」と言いたいときでも必ず「yes」と返すこと。そうすれば、すばらし未来が開けるらしい。
見学のつもりでそのセミナーに参加したカールは、主催者からこの会場を出たらそれ以降すべてのことのに対して「yes」というよう誓わされる。
半信半疑のカールだが「yes」と言い続けていたカールもついに「no」と言ってしまった。そのとたん彼に不幸が訪れる。それ以来、完全に信じ込んでしまったカールはあらゆる人の依頼をすべて「yes」で返していくことにするのだが、ついにとんでもない事態に・・・
《イエスマン》ネタバレ感想
イエスマンとは
ひとは面倒なことや気乗りしないときには、何か適当な理由をつけて断ってしまう。しかし、あまりにも頻繁に断り続けると、カールのようにどんどん負の連鎖に落ち込んでなかなか抜け出せなくなる。こうなると自分の意思では抜け出すのは容易ではない。
自分の意思でマイナス思考に陥ってしまっているのだから、外からプラス思考を加えてやらないと変えることは難しいだろう。
カールの外からのプラス思考がテレンスの主催するセナーになるわけだが、いかにも怪しすぎる。広い会場で大声で「yes」と言いまくる。そして帰りには「yes」と書かれた大きな袋を下げて会場を後にする。胡散臭い。
しかし、考えてみると相手の要求に対して「yes」と返すことは悪いことではない。むしろいいことだ。普段どちらかというと「no」と言う場合が多い気がする。それを「yes」と置き換えて見るだけで周りの反応が変わってくるようだ。そして「yes」といわれて不快に感じる人はいない。逆に好意を持つだろう。相手が喜ぶとその喜びが自分に返ってくる。そして、相手の喜びがまた別の人に対して向けられると幸せの連鎖が起こる。カールが友人ピーターの婚約者とブライダルセンターを訪れたときのように。
新しいことに挑戦
カールがイエスマンになったことで、いままでやったことのないことに挑戦している。ギターの演奏、韓国語の習得、小型飛行機の免許取得とバラエティに富んだ選択だ。
変化のない、同じことの繰り返しの毎日より、変化に富んだ新鮮な毎日を過ごす方が、生きていて張り合いがでるし、人生が楽しくなってくるだろう。新しいことに挑戦すると世界が広がり物事の見方も変わってる。今まで一方向からしか見ていなかったことを、別の方向からも見るようになる。そうすると相手の立場にたって考えることができるようになり、相手の気持ちも理解しやすくなる。
カールの新しいことに挑戦する姿を見て自分も何かやってみたくなってきた。
周りの見る目が変わる
カールがイエスマンになったことで。周囲の彼に対する見る目がどんどん変化していく。
親友のピーターの婚約者ルーシーと打ち合わせの為ブライダルセンターへ行ったときのこと。ピーターが流暢な韓国語でスタッフの態度を好転させたり、ギターの演奏で自殺志願者を思いとどまらせたりと、それを目の前で見たルーシーはさぞ彼を見る目が変わっただろう。
それまでは夫となる友人だからなんとか親しくならないとと望んでいても、当のカールの人づきあいの悪さに全く好意を持てなかったのだから。
今までは付き合いも悪く、何に対しても否定的だった彼が、突然真逆の人間に急変していているのだから、驚きと同時に好意を向けられる。
元妻が新しい彼氏と喧嘩した際にも、元妻がカールに近づいてくる。カールの変化に気付いたのだろう。
上司のノーマンもカールの急激な乗りの良さに驚きながらも、彼の趣味の誘いや急な出勤にも対応してくれる身の軽さに好印象を抱く。
相手の自分に対する態度は、自分の相手に対する態度にかかっている。
アリソン
ジョギングフォトのインストラクター。
女性4人のロックバンドグループ「ミュンヒハウゼン症候群」のボーカル。 バンドはあくまで趣味。観客は5人ぐらい。でもその5人は熱烈なファンのようだ。
普段のインストラクターをやっている時と、夜の奇抜な衣装で熱唱するアリソンのギャップがすごい。インストラクターでは露出のあるウエアーでカメラ片手にジョギングして気に入った被写体を見つけたらパチリというちょと変わったスクールだ。それが、夜になると奇抜で斬新な衣装を身にまとって、被りものまでしてロックを熱唱する。
アリソンもイエスマンではないが平凡な日常を好まない変化に富んだ毎日を送りたいようだ。いきいきと生きているアリソンがかわいい。
カールの勘違い
テレンスの言葉を真に受けたカールは、断りたいことでも「yes」と返す。そうすると、ピーターのように悪乗りして「no」と決して言わないことをいいことに無茶ぶりをするようになる。
テレンスはいつでも「yes」という癖をつけるために、それを言い続けることが大切という意味で言っただけで、どのようなことに対しても「yes」と言うわけではない。それをカールは勘違いしてテレンスに誓ったから絶対「no」と言ってはならない。「no」と言ったら災いが降りかかると思い込んでしまった。「no」といった後不幸が起こったのはただの偶然だったのだが。
このカールの勘違いによってアリソンにも誤解される。カールの言っていることが本心からの言葉なのか「yes」しか言えないからなのかと。これではまずいだろう。アリソンを傷つけるだけだ。
そこでようやくテレンスに会って「yes」の本当の意味を知ることになる。自分の本心からくることにのみ「yes」というべきで、自分の気持ちを裏切ってまで「yes」という必要がないことを。ようやく理解したわけだがちょっと遅すぎる気が。
《イエスマン》まとめ
突っ込みたいところは随所にあるのだが、笑いがあってしかも生きていくうえで大切なことを教えてくれるスバラシイ作品。
自分も常に新しいことに挑戦したくなってくる。新しいことを知るのは楽しい。新し知識を得ると世界が広がる。世界が広がるともっと新しいことが知りたくなる。
どんどん自分の知識を増やしていこう。そして相手の意見を尊重して笑顔で生きていこう。